ドイツ 研修報告 〜 勝沼ワイナリーズクラブ 〜 ドイツ・ラインガウ 甲州種ワインの作り手を訪ねて 2007.1 |
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勝沼ワイナリーズクラブのドイツ研修内容について、
弊社オーナー三澤よりご報告申し上げます。(以下ご報告) ウィーンでの二泊を経て、ラインガウの宿舎への到着は、日本を出発して二日後の1月22日の夜半となりました。オーストリアで、そう多くのワイン畑を見るチャンスに巡り合う機会がなかった葛藤もあったのでしょうか、空港からの道中、ホテルのあるラインガウの高台が近づくに連れ、暗闇の中ブドウ畑が出現し始め、我々、勝沼ワイナリーズクラブのメンバーは、車のライトで浮かび上がるブドウ樹に目を見張りました。 ラインガウでは、昨年の11月から平年より暖かい気候が続いていたにもかかわらず、何のいわれや分かりませんが、我々の滞在した週の五日間だけが氷点下の寒い気候でありました。この早朝の寒気は、我々の眠け覚めやらぬ意識をしゃきっとさせ、寒さに象徴される冬のドイツでの滞在は、思いの外、快適なものでした。 昨年秋、ドイツ・ラインガウで栽培され、2005年に収穫された甲州種ワインをテイスティンする機会がありました。ワインは、やや辛口の仕上がりでありながらも、酸味と薄っすらとした残糖感とが調和し、また、強いエステル香は別にして、トロピカル掛かったピーチ香を持つ、凝縮感ある優れたレベルのワインでありました。残糖感はワインの酸味を引き立たせる為の前向きな考え方であり、日本の甲州ワインのやや甘口のように、渋みを覆い隠す意味合いとは異なります。 このワインの造り手ショーン・レーバー氏は、ワイン造りに対する情熱は固より、ロバート・ヴァイルを始めとして、他のワイナリーへの訪問を御自身が自ら手伝い、奥様による手料理のおもてなしもあり、それはホスピタリティー溢れる雰囲気を醸し出す40歳前の紳士でありました。 ショーン・レーバー家の甲州ブドウは、ライン川を見下ろす南面傾斜地に垣根仕立て(結果母枝を弓なりにするハーフ・ボーゲン方式)で栽培されています。ラインガウでのブドウ栽培は、南面傾斜地が最適と言われています。ありがたいことに、ショーン・レーバー氏の御好意により、我々の到着を待って剪定作業が始まりました。昨年伸びた剪定前の枝の節間や太さを見る限り、日本で栽培する甲州ブドウと同様に、樹勢は強く、然程の違いは見出せません。ただ、この延びた枝は、濃いこげ茶色を呈し、充分な登熟が窺えました。翌日、ブドウの苗木屋さんを訪問した折に、穂木と台木との活着率が70%と説明された理由も、この色合いからして頷けます。
ショーン・レーバー家の甲州ブドウは、2005、2006年ともに、ブドウを充分に完熟させるため、収穫時期を11月初旬まで延ばした遅摘みであります。その結果、ブドウの糖度は、BRIX(ドイツではエクセル度で換算する)で20度以上のレベルまで達します。 また、開花から収穫までの所謂ハンギングタイムが長い割には、晩腐病などの病気は発生しておらず、ブドウの果実は充分な酸が維持されていました。ショーン・レーバー氏は、果汁段階での濃縮は否定的であり、あくまでもブドウ栽培でのブドウの凝縮感を追求していました。 これらのことが、ラインガウの気候からくるものであると決め付けてしまえば、日本での垣根栽培の新たなる展開は望めません。自園8haの明野農場の、4月から10月までの日照時間は、ラインガウと同じ程度であり、また、特級畑が並ぶライン川沿いの斜面と同じく、明野農場は南面傾斜の広大な土地であり、ブドウの凝縮感を追求出来る条件は揃っております。 10年以上前になりますが、我が社でも垣根栽培に挑戦した経緯がありました。当時、日本の垣根栽培では極端な花振いの為に実を結ばず、甲州ブドウの垣根栽培は無理だと諦めて居りましたが、今回、またと無いチャンスを得たドイツ訪問により、甲州ブドウの垣根栽培への再挑戦にも大いに勇気づけられました。また、醸造技術至上主義を極力避けた、所謂ブドウ畑を基本とした自然に従う醸造に確信が持てました。 今後、自立したワインづくりを更に発展させ、土地の風味を醸すワインづくりを決意した今シーズンの始まりとなりました。 (2007.2.17 山梨日日新聞より)
ワインがブドウからできるものだということをあらためて実感した。 甲州種の栽培方法や特性を知っていたわけではない醸造家フランク・ショーンレーバー氏が オリジナリティーだけに引かれて甲州種に挑戦し、成功しているというのは大きな勇気になった。 |
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